資源循環
森を活かす|山からまちへの木づかいプロジェクト


日々の暮らしで山の恵みを使い切る、住まいとして時ノ寿材を生かす

山に限らず、かつての日本の暮らしは木によって支えられていたといっても過言ではありません。身の回りの生活道具の多くは木でつくられ、煮炊きは薪や炭によって賄われていました。木の道具は大切に受け継がれ、燃料としての役割を終えて出た灰はさまざまな用途で再利用されたのちに土に還っていきました。そして、木の最も大きな用途だったのが私たちの住まいでした。神社仏閣やお城はともかく、庶民の住まいに使われてきた木材の多くは、道具や燃料と同様、普通の山から出た普通の木で建てられていました。普通の山の木を使い尽くしてきました。だからこそ、日本の里山は健全に保たれてきたのです。


山からまちへ、「樹」から「木」へ生まれ変わる

山で伐採された木は原木市場で選別され、製材所で「樹」から「木」へと生まれ変わります。製材されたあと材としての品質を大きく左右する「乾燥」を経て、用途にあった木材としてまちへと運ばれていきます。一方、伐採されたあとは次世代のために植林がおこなわれます。適切に間伐をおこなうことで山の健康が保たれ、再び私たちの手元に木材が届くことになるわけです。一度人の手が入った山はこうして守られていきます。山とまちを結ぶ、こうした木づかいプロジェクトは、単に木を使うことだけでなく、豊かで美しい日本の国土を守ること、日本の未来をつくることにつながっているのです。
 


施工例

森から豊かな音響空間をつくる

この空間専用に設計されたスピーカー等のPAシステムから発せられた音楽が空間内で1階、2階のどこからでも美しく響きわたり、プロフェッショナルな映像空間からクラブ空間まで再現します。

ドーム型の壁面から反射した音を床と天井の時ノ寿の檜が美しい響きを伝えます。

高台の修景を取り入れるため壁面のいらないRHS工法を採用。

敷地が高台にあるため開放的且つプライバシーは確保されています。

DJブースはコックピットのように趣味の機材やレコードが並びます。

音楽の生まれる家

ご家族ともにプロの音楽家で、1階にスタジオ、2階に歌のレッスンができる高天井のリビングを計画した、まさに音楽を生み出す一家の住宅です。1階、2階の床はもちろん、キッチンのカウンター材やスタジオの板材なども時ノ寿材を使用しています。

建物の夜景。上下で2世帯住まいで右側1階がスタジオ。

2階の高天空間を時ノ寿の檜がしっかりと支えます。

夜の関節光の演出が床の素材を引き立てます。

シンプルな空間構成こそ床の素材の良さが映えます。

森の資源をデザインする

1階が親世帯、2階が子世帯の2世帯住宅という条件から、1階は間取りや設えに伝統的な和様建築の技術を取り入れ、どこか懐かしさもありながら住みやすさとバリアフリーを意識し、2階では中断面の湾曲集成材により15mのスパンを自由な間取りで使える空間を実現しました。

滑らかなロフト空間を演出する屋根面。床は杉、天井は檜。

2階リビングのダイナミックな空間。湾曲材を除く90%以上の材料が時ノ寿材で施工されている。

柱、梁、床から障子の枠まで時ノ寿の森から生まれています。

外観は現代的でありながら、カラーチャートは掛川城をモデルにして地域との親和性を意識しています。


山とまちを結ぶ、六角形のヒノキのテーブル

山とまちが「木」でつながるためのプロダクトの一つが「ヒノキの六角テーブル」です。もともとは、家を建てるのは難しいけれど机なら、という発想から生まれたものです。六角形という形は、日本に近代建築を持ち込んだ世界的建築家の一人、フランク・ロイド・ライトが良く使う六角形をモチーフにしたもの。六角形の各頂点に脚があることから大変安定しており、円形の机と比べ、6人が座っても脚に足が当たらないのが魅力。オフィスなどの広い空間では、いくつかの六角テーブルを亀甲型に連続させて使うのも面白いかもしれません。かつての日本の民家では、「ちゃぶ台」が一家団らんの場でした。この六角テーブルが、現代の家族をあたたかく結ぶツールになればと思います。
 

 

天板の仕様
①材料 檜フリー板(厚さ36mm)
②塗装 標準は塗装なしですが、塗装も可能です。

脚の仕様
①材料 檜フリー板(厚さ36mm)
②本数 6本
③床から天板上面までの高さは自由。御注文に対応いたします。アジャスター付きのため、水平等の微調整は可能です。
④天板と脚は金具で固定です。